・またもやの延期に嘆く

ils08.gif (7205 バイト)(飯田和敏)

いけませんねぇ。まったくいけません。「デるかも/デないかも」のN64DD、発売予定だった6月には全然出ませんでした。代りに出たのは発売延期のお知らせ。それと、DD発売時期のキラータイトルと目されていた「ポケモン・スタジアム」がROM発売に変更。これにはびっくりしちゃいました。

「巨人のドシン」は年内完成予定なので仕事的には直接の影響はないものの、N64とDDはもっと盛り上がって欲しいのです。DDの持っている可能性についてはこのコーナーでも何度か書いているのですが、「カスタマイズ」「書換え」「通信」このワクワク感が強い3つの要素を実現する可能性があるゲーム機は今のところDDだけなんですから。で、今回の発表に僕たちはしょぼ〜んとするばかり。残念です。

それと、こう何度も発売延期が続くと、いくら気の長い僕でも「ホントに出るの?」と思ってしまいます。僕たちは今、全青春を投入してDD用のゲーム「巨人のドシン」を作っています。DDの思想に惚れ込んで企画したゲームですからROMで作ることは出来ません。だから、もしDDが発売が中止になったら…なんてことを考えると、もう駄目です。目の前が真っ暗です。だから、お願いしますよ任天堂さぁま。もうこれ以上、僕たちをドキドキさせないでー。もちろんDDに懸けたのはこちらの勝手ですけど。

しかし、ゲーム制作は予定が立てづらい。僕たちも苦労しています。まず個別の作業見積もりを立て全体のスケジュールを組んでいくのですが、見積もりはあくまでも見積もり。いつどんなトラブルが潜んでいるのかまったくわかりません。ある程度経験のあるハードならともかく、新機種での開発はこの潜在的なトラブルに振り回されることが多い。また、作っているうちにどんどん新しいアイディアを思い付いて、アレもいれようコレもいれようとやっているうちにスケジュールを押してしまうケースもあります。DDの発売が何故遅れているのか本当の理由は僕にはわかりません。より良いゲームとゲームマシンを作ろうとしてであると信じたいものです。

とにかく、僕たちはDDへの期待が片想いに終わらないで欲しいと思っています。そんじゃ告白好きの胸キュン青年柴田ガボンさまもどうぞ。

(柴田賀盆)

前略。ワビちゃんへ。

「から騒ぎ」という映画をみました。お勉強の香りがしてなんだかめんどくさそうな、シェイクスピアの作品です。ホントは全然そんなことなくて、シンプルで普遍的でオイラ好きだな。64DDと「巨人のドシン」へのラブに焦がされ、ヤキモキと待つ身はつらいよね。そんなボクチンたちを、ちょっと落ち着かせてくれるストーリーです。

「ある日、四人の騎士が遠征から帰還しました。その歓迎の席で、一人の若い騎士が城主の娘にホレてしまいます。娘もまんざらでない様子。そこで、リーダーの騎士が年の功を発揮し、若い騎士のかわりに告白をしてやります。仮面舞踏会の夜、リーダーは若い騎士の名において娘にプロポーズを。娘ははにかんでそれを受け入れます」

で、ここからハプニングでやんす。

「プロポーズする場面を遠くから見ていた若い騎士は、娘がリーダーに取られてしまったのではないか、という疑いでいっぱいになります。というのは、リーダーはキミの名でなく、リーダー自身の名前で告白してるのだよ、とウソを別の人に吹き込まれていたからなのです。普段のリーダーを信用しているなら、そんなことはウソっぱちさ、と軽くいなせるのでしょうが、なにしろ若い騎士は恋の病でぼーとなっている、ささいなことで疑念と懸念で残念と観念してしまうのです」

結局、誤解は晴れるのですが、さらなるワナとハプニングが待ち構え、恋に浮かされた若い騎士はみすみすそれにひっかかってしまうのでやんす。ななんと、結婚式の公衆の面前で、あんなにホレた娘をさんざん罵倒し、せっかくの式を台無しにしちゃうんだよ。ショックを受けた娘はあわれ死んでしまい…。実は死んだフリなんだけど。

すべてドタバタの原因はあまりに燃え上がる純粋な恋心のせい、冷静な分析、正確な行動もアツくなってはどっかにすっとび、惑わされるばかり。そんなことを感じた映画でありました。オイラたちもヤキモキきしすぎず、余裕をもって64DDと「巨人のドシン」を見守っていきたいね。エッなになに? 作業見積もりがオーバーしそうだって! ウーキーッ! バタン! ドシン!

(飯田和敏)

あ、ガボン倒れた。オレも倒れよう。バタン!

電撃NINTENDO64 1998年7月号

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